タピオカの話。
とある知り合いが大腸切除の手術を受けて、手術後は順調に軽快してきているのですが、「しばらくはタピオカ摂取禁」と言われたとのこと。
恥ずかしながら事情を知らず、調べてみた話。
最近は、、、
タピオカが再ブームになってますよね。普通に「タピオカ」をGoogle検索すると、一般の方の「物好きな話」があふれています。巷のお店はお客さんがたくさん列をなして並んでいるし、大学の模擬店などでも出店競争になっているようです。
衝撃的な話
そんなタピオカですが、こんな話がtwitterで話題に。
【悲報】タピオカで腹痛、14歳少女が病院送り
— おると🔨🐦整形外科医 (@Ortho_FL) 2019年6月9日
腹痛、便秘、食欲不振で病院へ運ばれた
レントゲン、CTにて腸管内に未消化のタピオカを多数認め、これを腹痛の原因と判断
タピオカが難消化性であることや、増粘剤、防腐剤による胃腸機能不全の可能性が考えられる
タピオカ好きは注意!#タピオカ https://t.co/j3ByRdOKc4
タピオカで14歳少女が腹痛、便秘、食欲不振とは穏やかでないです。
レントゲン、CTにて腸管内に多数の未消化タピオカが原因との判断。
NewsWeekにも取り上げられる有様。
そもそもタピオカとは
南米原産のキャッサバ芋から取れたデンプンが原料で、デンプンを取り出す方法が「タピオカ」なのが、そのまま名前になったそうです。
加工で糊化させ、雪だるま式に球状にして乾燥させると、いわゆる「タピオカパール」になり、直径5mm以上の大粒だと乾燥状態から煮戻すのに2時間程度かかります。
最近のブームはカロリー過多という問題
他にも、とても甘いミルクティーにタピオカを大量に入れてカロリーを稼いでいる投稿も見かけますが、糖分+タピオカのデンプン(分解されると結局糖分)による異常なまでのカロリー過多(数千kcal以上)で、飲むだけで摂取できてしまうのはちょっと恐ろしいですね。ただ難消化性なので、摂取したカロリーが全て吸収されるわけではないです。
そして、難消化性のため食物繊維としての役割も果たすため、最初に触れた14歳少女のように大量に摂取すると腸閉塞に近い高度(ひどい)の便秘になってしまう可能性があるのです。
外科手術後も一時的な腸蠕動の低下や、手術での吻合部分(腸と腸をつないだ部分)に負担がかかる可能性があるので、タピオカは控えるようにとの指示が出たんですね。
多少なら大丈夫じゃないかとも思ってしまいますが、手術後に腸閉塞を起こすと追加治療が必要になるケースもありえますから、くれぐれも医師の指示に従いましょう!
そして、この難消化性デンプンは「レジスタントスターチ」とも呼ばれます。
レジスタントスターチ
タピオカの場合は、「冷めたり保存する過程で一部のでんぷんが再結晶して消化されにくい構造に変化した」RS3というタイプ。
レジスタントスターチそのものは、豆類やじゃがいも、ソバ、米飯など、日本人におなじみの食品に含まれています。ネズミでの実験ですが、いくつかの面白い機能が報告されています。
以下に挙げてみます。
日本語のやや専門的な解説はこちら。
いわゆる日本食で普通に撮っている食品にこれらの機能があるということは、食の欧米化によってこの機能を減ってきているとも見ることができます。
近年では、炎症性腸疾患の予防効果があることも報告されています。
ここ数年で、短鎖脂肪酸に関する研究や腸内細菌叢に関する研究が進んでいますから、あらたな知見が出てくるかもしれませんね。今から楽しみです。
ちなみに、さつまいも(かんしょ)では、レジスタントスターチが加熱法で変わるのですが、生が一番多く加熱した場合は「蒸す>茹でる>電子レンジ」の順で多いようです。焼き芋も蒸す状態に近いとすると、焼き芋が美味しくて腸内環境を整えて便通も改善する効果が科学的にも期待できそうです。
機能性食品の効果については、もう少し掘り下げれそうですね。
まとめ
機能性については、大まかな解説のみでしたが、
機会があれば続編を考えてみます。
以上です。